【修正版 2019.08.06】
Aチームの実力がaの確率を計算してみる
今までAチームの実力がaであるときの4連勝決着確率又は4連勝及び4連敗決着確率を計算してきたが、逆に4戦で決着したときにAチームの実力がaである確率を計算してみる。ベイズの定理というもので計算できるのだが、ここは地道に計算してみる。
3パターンで考える4連勝決着のときのAチームの実力
対戦が始まる前は、AチームとBチームの実力が次の3通りのいずれかでどれが一番確からしいかとかは分からず、皆平等だと考える。Aチームの勝つ確率を
の3通りでそれらの確率は
と考える。この予め仮定した
の確率のことを事前確率というはずだ。
Aチームが1勝した後
1戦目でAが勝ったとき、
のそれぞれで考える。まず
のとき勝つ確率は
だがこれを
こう書く。文章にすると、Aチームの実力が0.6という条件でAチームが1勝する確率は、Aチームの実力が0.6の確率にAチームが勝つ確率(実力)0.6を掛けた値というふうになる。
続いて
のときは、
これでAチームのそれぞれの事前確率のときにAが勝つ確率が求まった。で、今Aチームが勝った時、どの実力が原因で勝ったのかの確率は上の確率のままではダメ。それは、3つの場合の確率を計算すると
で足しても1にならない。確率は全部の事象(おきる事柄)の確率の和は1とするので1となるよう上を調整する。
そうすると、Aが勝った(この場合1勝した)のは実力がaであったから、つまりAが勝ったという条件でAの実力が0.6, 0.5, 0.4のそれぞれについての確率を求めることができる。
それを
,
,
こう書く。このように原因と結果を逆して書く。文章にすると「Aが勝ったという条件でAの実力が0.6, 0.5, 0.4である確率」になる。生じた結果から原因の確率を計算するのがベイズ流であるらしい。
となる。
のときは、1勝後の確率(事後確率)は事前確率のままで変化してない。
のときは勝ったという結果をみて、この仮定は確からしいと思うので事後確率が大きくなり、逆に
のときは、弱いはずはなかったのかと事後確率が小さくなる。このことは、現実にそぐう。ただ、確率の数値については完全に納得できたわけではなく、そんなもんなのかという感想となる。
この段階で整理すると、対戦前に理由不十分(主観)で3通りのAの実力が平等(仮定)だと言っていた人はAが1勝したという事実(結果)をもって、上のように主観確率を変えるべきだになる。ではAの実力を総合的にどう見積るかといえば、平均値(というか重心)をとるのだが確率のときは期待値という
Aチームがほんの少し強いと考えを変えるべきだ。
Aチームが2勝した後
同様に、第2戦目の後どうなるか計算する。1勝後の事後確率を2戦目の事前確率として
である。Aが連勝したときの確率は
上の確率の合計は
だから、正規化(総和を1に)して、それぞれの事後確率を求める
となる。
2連勝後はAチームの実力が
という確率は
より小さくなる。Aチームの実力の期待値は
Aチームの方がちょっと強いと見積るべきとなる。
Aチームが3勝した後
続いて、第3戦目の後どうなるか計算する。3戦目の前の事前確率は
である。Aが3連勝したときの確率は
上の確率の合計0.526で正規化すると
3連勝後はAチームの実力が
という確率、つまりAチームの方が強いという確率は、5割を超える。
Aチームの実力は
このように見積るべきとなる。2連勝後と3連勝後のAチームの強さの見積はあまり変わらない。
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Aチームが4勝した後
最後に、第4戦目の後、Aチームが4連勝で日本シリーズを制したとき、Aチームの強さをどのように見積るべきかを計算する。4戦目の前の事前確率は
である。Aが4連勝したときの確率は
上の確率の合計0.5376で正規化すると
ところで、これら値は前回計算した4連勝決着確率(
https://ykdn.blog.so-net.ne.jp/2019-07-28#wariai)と同じ数値になっている。ベイズの定理といっても素人が普通に考えても同じ数値になるのだから難しくはないのだろう。ただ、持って回った言い方をしているので混乱するのではなかろうか。
4連勝後の期待値は、Aチームの実力は
このように見積るべきとなる。4連勝後のAチームの強さの見積は、こんなものだ。それは、仮定が3通りだったから。Aチームが強くても
と仮定しているのだ当たり前の数値だ。
Aチームの実力を0~1の連続した値で計算したらどうなるのだろうか。
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