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日本シリーズ4連勝(04) [確率統計]

【修正版 2019.08.06】

Aチームの実力がaの確率を計算してみる

今までAチームの実力がaであるときの4連勝決着確率又は4連勝及び4連敗決着確率を計算してきたが、逆に4戦で決着したときにAチームの実力がaである確率を計算してみる。ベイズの定理というもので計算できるのだが、ここは地道に計算してみる。

3パターンで考える4連勝決着のときのAチームの実力

対戦が始まる前は、AチームとBチームの実力が次の3通りのいずれかでどれが一番確からしいかとかは分からず、皆平等だと考える。Aチームの勝つ確率を a=0.6,0.5,0.4 の3通りでそれらの確率は
P(a=0.6)= 13 P(a=0.5)= 13 P(a=0.4)= 13 と考える。この予め仮定した13の確率のことを事前確率というはずだ。

Aチームが1勝した後

1戦目でAが勝ったとき、 a=0.6,0.5,0.4 のそれぞれで考える。まず a=0.6 のとき勝つ確率は0.6だがこれを P(A=1| a=0.6) = P(a=0.6) ×a = 13×0.6= 630 こう書く。文章にすると、Aチームの実力が0.6という条件でAチームが1勝する確率は、Aチームの実力が0.6の確率にAチームが勝つ確率(実力)0.6を掛けた値というふうになる。
続いて a=0.5,0.4 のときは、 P(A=1| a=0.5) = P(a=0.5) ×a = 13×0.5= 530 P(A=1| a=0.4) = P(a=0.4) ×a = 13×0.4= 430 これでAチームのそれぞれの事前確率のときにAが勝つ確率が求まった。で、今Aチームが勝った時、どの実力が原因で勝ったのかの確率は上の確率のままではダメ。それは、3つの場合の確率を計算すると 630+ 530+ 430= 1530 で足しても1にならない。確率は全部の事象(おきる事柄)の確率の和は1とするので1となるよう上を調整する。 そうすると、Aが勝った(この場合1勝した)のは実力がaであったから、つまりAが勝ったという条件でAの実力が0.6, 0.5, 0.4のそれぞれについての確率を求めることができる。
それを P( a=0.6 | A=1 ) , P( a=0.5 | A=1 ) , P( a=0.4 | A=1 ) こう書く。このように原因と結果を逆して書く。文章にすると「Aが勝ったという条件でAの実力が0.6, 0.5, 0.4である確率」になる。生じた結果から原因の確率を計算するのがベイズ流であるらしい。 P( a=0.6 | A=1 ) = 630×2 = 1230 = 25 P( a=0.5 | A=1 ) = 530×2 = 1030 = 13 P( a=0.4 | A=1 ) = 430×2 = 830 = 415 となる。 a=0.5のときは、1勝後の確率(事後確率)は事前確率のままで変化してない。a=0.6のときは勝ったという結果をみて、この仮定は確からしいと思うので事後確率が大きくなり、逆にa=0.4のときは、弱いはずはなかったのかと事後確率が小さくなる。このことは、現実にそぐう。ただ、確率の数値については完全に納得できたわけではなく、そんなもんなのかという感想となる。
この段階で整理すると、対戦前に理由不十分(主観)で3通りのAの実力が平等(仮定)だと言っていた人はAが1勝したという事実(結果)をもって、上のように主観確率を変えるべきだになる。ではAの実力を総合的にどう見積るかといえば、平均値(というか重心)をとるのだが確率のときは期待値という Aの実力の期待値(平均値)= 0.6×25+ 0.5×13+ 0.4×415 0.5133 Aチームがほんの少し強いと考えを変えるべきだ。

Aチームが2勝した後

同様に、第2戦目の後どうなるか計算する。1勝後の事後確率を2戦目の事前確率として P(a=0.6)= 25 P(a=0.5)= 13 P(a=0.4)= 415 である。Aが連勝したときの確率は P(A=2| a=0.6)= 25× 610= 1250 =36150 P(A=2| a=0.5)= 13× 510= 530 =25150 P(A=2| a=0.4)= 415× 410 =16150 上の確率の合計は77150だから、正規化(総和を1に)して、それぞれの事後確率を求める P( a=0.6 | A=2 ) = 36150 × 15077 = 3677 0.4675 P( a=0.5 | A=2 ) = 25150 × 15077 = 2577 0.3247 P( a=0.4 | A=2 ) = 16150 × 15077 = 1677 0.2078 となる。 2連勝後はAチームの実力がa=0.5という確率は13より小さくなる。Aチームの実力の期待値は Aの実力の期待値 0.6×0.4675+ 0.5×0.3247+ 0.4×0.2078 =0.52597 Aチームの方がちょっと強いと見積るべきとなる。

Aチームが3勝した後

続いて、第3戦目の後どうなるか計算する。3戦目の前の事前確率は P(a=0.6) 0.4675 P(a=0.5) 0.3247 P(a=0.4) 0.2078 である。Aが3連勝したときの確率は P(A=3| a=0.6) 0.4675 ×0.6 =0.2805 P(A=3| a=0.5) 0.3247 ×0.5 0.1624 P(A=3| a=0.4) 0.2078 ×0.4 0.0831 上の確率の合計0.526で正規化すると P( a=0.6 | A=3 ) 0.2805 ÷ 0.526 0.5333 P( a=0.5 | A=3 ) 0.1624 ÷ 0.526 0.3087 P( a=0.4 | A=3 ) 0.0831 ÷ 0.526 0.1580 3連勝後はAチームの実力がa=0.6という確率、つまりAチームの方が強いという確率は、5割を超える。 Aチームの実力は Aの実力の期待値 0.6×0.5333+ 0.5×0.3087+ 0.4×0.1580 0.5375 このように見積るべきとなる。2連勝後と3連勝後のAチームの強さの見積はあまり変わらない。
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Aチームが4勝した後

最後に、第4戦目の後、Aチームが4連勝で日本シリーズを制したとき、Aチームの強さをどのように見積るべきかを計算する。4戦目の前の事前確率は P(a=0.6) 0.5333 P(a=0.5) 0.3087 P(a=0.4) 0.1580 である。Aが4連勝したときの確率は P(A=4| a=0.6) 0.5333 ×0.6 0.3200 P(A=4| a=0.5) 0.3087 ×0.5 0.1544 P(A=4| a=0.4) 0.1580 ×0.4 0.0632 上の確率の合計0.5376で正規化すると P( a=0.6 | A=4 ) 0.3200 ÷ 0.5376 0.5952 P( a=0.5 | A=4 ) 0.1544 ÷ 0.5376 0.2872 P( a=0.4 | A=4 ) 0.0632 ÷ 0.5376 0.1176 ところで、これら値は前回計算した4連勝決着確率(https://ykdn.blog.so-net.ne.jp/2019-07-28#wariai)と同じ数値になっている。ベイズの定理といっても素人が普通に考えても同じ数値になるのだから難しくはないのだろう。ただ、持って回った言い方をしているので混乱するのではなかろうか。
4連勝後の期待値は、Aチームの実力は Aの実力の期待値 0.6×0.5952+ 0.5×0.2872+ 0.4×0.1176 0.5478 このように見積るべきとなる。4連勝後のAチームの強さの見積は、こんなものだ。それは、仮定が3通りだったから。Aチームが強くても a=0.6 と仮定しているのだ当たり前の数値だ。
Aチームの実力を0~1の連続した値で計算したらどうなるのだろうか。
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