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日本シリーズ4連勝(02) [確率統計]

実力差があるときの4連勝決着確率(2パターン)

日本シリーズが4連勝で終わったとしても両者に実力差がなく運が良かった(悪かった)だけという確率は、0.125だと計算されたが。実力差があったとしたら4戦で決着が付く確率はどうなるのだろうか。
a = 0.6 , b = 0.4 で計算してみる。
Aが4連勝するということを、Aが4勝でBが0勝で P(A=4,B=0) と表してその確率は、
P(A=4,B=0) = a 4 = 0.6 4 = 0.1296
Aが4連敗の場合は、
P(A=0,B=4) = b 4 = 0.4 4 = 0.0256
だから
P(A=4,B=0) + P(A=0,B=4) = 0.1296 + 0.0256 = 0.1552
当たり前だが、実力差があれば4連勝で日本シリーズが終わる確率は0.1552で実力互角のときの0.125より大きくなる。

実力差があるときの4連勝決着確率(9パターン)

Aの実力(勝つ確率)とAが4連勝又は4連敗する確率は下表のとおり
Aが勝つ
確率
Aが4連勝する
確率
Aが4連敗する
確率
4戦で決着が付く
確率
0.10.000100.65610.6562
0.20.001600.40960.4112
0.30.008100.24010.2482
0.40.025600.12960.1552
0.50.062500.06250.1250
0.60.129600.02560.1552
0.70.240100.00810.2482
0.80.409600.00160.4112
0.90.656100.00010.6562
流石に、勝つ確率が0.4だと弱い方が4連勝する確率は0.0256とかなり難しくなる。
ただ、実力が9:1と圧倒的に差があっても4連勝する確率は0.6561と圧倒的とはいえず、あまり高いとは言えない。

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日本シリーズ4連勝(01) [確率統計]

意外と少ない4連勝決着回数

プロ野球の日本シリーズが4連勝で決着した場合、両チームの実力差はどの位あったのだろうか。
実力差がなくても4連勝で決着することは珍しくはないことを確かめた。
Aチームの実力を a 、Bチームの実力を b a + b = 1 とする。
実力が a = 0.9 , b = 0.1 ならAがBに勝つ確率は0.9とする。互角なら a = b = 0.5
7番勝負で第4戦までの勝敗は下記の16種類。Aチームから見て勝ちが〇、負けが
〇〇〇〇
〇〇〇●
〇〇●〇
〇〇●●
〇●〇〇
〇●〇●
〇●●〇
〇●●●
●〇〇〇
●〇〇●
●〇●〇
●〇●●
●●〇〇
●●〇●
●●●〇
●●●●
実力が互角ならどちらかが4連勝する確率は16分の2で0.125となる。
4連勝で勝負が着いたとしても、実力は互角でたまたま一方のチームが運が良かったからだと考えても悪くはない。4連勝で勝負がつく確率は0.125だから8回に1回はこんなことが起こる。
2018年までに69回日本シリーズが行われ、そのうち5回が4連勝で決着がついた。
勝利戦績敗北
1959年南海〇〇〇〇巨人
1960年大洋〇〇〇〇大毎
1990年西武〇〇〇〇西武
2002年巨人〇〇〇〇巨人
2005年ロッテ〇〇〇〇阪神
互角でも69回もやると69÷8≒8.6回は4連勝で決着がついても不思議ではない。5回しかないのは少なくないか。互角ではなく a = 0.6 , b = 0.4 とか実力差があれば、もっと4連勝で決着がつくことが多いと期待される。これはいったいどういうわけだ。互角以上に互角?と意味不明な表現になってしまう。
連勝した時点で気が緩むとか連敗すると燃え上がるとかがあると考えるべきだろうか。

4連勝決着回数の確率分布

両チームに実力差がないと仮定すると、69回の日本シリーズが4連勝で片付く回数の期待値は8.6回である。実力差があれば、もっと4連勝で決着する回数が多いはず。なのに日本シリーズが4連勝で片が付いたことが69回中5回は有意に少ないのではないか。
こういう疑問があるときは、4連勝決着回数の確率分布を調べてみるとよい。
ベルヌーイ試行、二項分布が利用できる。どちらかが4連勝する確率を0.125とし、69回の試行で k 回4連勝が出現する確率は
P(4連勝出現数)= C k 69 0.125 k (1-0.25) 69- k
だから、下表のとおりである。
4連勝出現数出現確率
20.00477
30.01522
40.03589
50.06665
60.10156
70.13057
80.14456
90.13997
100.11998
110.09193
120.06348
130.03976
140.02272
150.01190
160.00574
実力互角で4連勝で片が付いたことが69回中5回ある確率は0.06665で、これは統計学で使われる甘めの有意水準0.05より大きい。有意水準0.05は20回に1回しか起こらない事象は珍しいとして良いよねという認識を共有しているということ。だから両チーム実力互角で日本シリーズ4連勝については、別に珍しくもないことで、油断とか開き直りとか実力を増減させる何か特別な要因があるという仮定を積極的に考える必要はないという認識を持つべきとなる。
科学データでは、有意水準0.01の方を使って判断する方が広く使われているようで(100回に1回なら相当珍しいという認識)それに従えば、4連勝の出現回数が2回以下のときは、油断とか開き直りとか実力を増減させる何か特別な要因があるということを検討すべきであり、逆に16回以上起きたら両チームの実力に差があるということを検討すべきとなる。
実力互角の両者が戦って4連勝で決着つくことが過去69回中5回起きる確率は0.06665だから、1÷0.06665≒15で、野球、相撲、バスケ、将棋等7番勝負が15種目あれば1種目位は、4連勝で片が付いたことが過去69回中5回あっても良いと考えられる。

4連勝決着が少なくなる理由(仮説)を考えてみた。負けたチームが対抗措置をとるので一方的とはならない。勝手いるチームは相手がどのような対抗策を取るのか絞り切れないので負けたチームの対抗策が有効になることが多い。


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