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日本シリーズ4連勝(09) [確率統計]

偶然か実力どおりかは分からない


 一方が4連勝したからといって実力に大きな差があるとは断定できない。
 最初に計算したとおり、実力差が無くともその確率は8分の1で0.125もある。
 ただ、ベイズの定理を使った主観確率の立場では、対戦前の事前確率が五分五分の実力であっても4連勝後は連勝したチームの実力(相手に対する勝率)は期待値として6分の5で約8割3分の勝率と見積るべきということだ。
 対戦前は五分五分と思っていても4連勝後はおおよそ8:2で4連勝したチームが有利だろうと見積もるべきとなる。
 ところで、知りたいのは4連勝が偶然か実力どおりだったかということで期待値以上の確率は0.5981であると言われてもしょうがない。とどのつまり結果から確率を計算しても真の実力は分からないということだ。
 良く言われることで、「事故の原因がそれである確率は95%ということは分かりましたが、結局この事故はその95%で起きた事故ですか?それとも5%の方ですか」がある。だから、それが分からないから確率なんだけど。統計学は後知恵統計学で予言ではない。確定診断ができるものではない。この辺が理解してもらえないことだ。
saikoro_3set_w200.png たとえば、サイコロを転がし「1よ出ろ」と言って1が出る確率は6分の1。よくあることで「運がいいな」で終わる。次に「4よ出ろ」と言って4が出る確率も6分の1だが、2回連続して希望の目が出る確率は36分の1で0.0278。確かに珍しいが、これがTV番組なら「流石スター!持ってますね」という流れになる。次に「2よ出ろ」と言って2が出たら、3回目の独立試行の確率は6分の1だが、3回連続希望の目を出す確率は、216分の1(0.0046)となる。ディレクターなら悩むのではないだろろうか。このまま放送するとやらせだと思わないか?今のはNG扱いにしてもう一度振らせるべきではないか。
 視聴者の立場では、3連続希望の目が出たとき「やらせだ、編集している」と思うのではないだろうか。確率0.0046だからそう思っても不思議ではない。ところが、3回目に目を外した映像を見たとき視聴者はディレクターの判断で振りなおしさせて目を外させたと思うだろうか、多分思わないだろう。視聴者は結果を見てもそれが真実かどうかは確率論をもってしても正確には判断できない。
 しかし、番組制作者側は真実を知っている。確率0.0046の事象が起きたのかそうではないのか。まるで神の視点だ。

宮城リョータ視点


 スラムダンクというバスケットボール漫画がある。
 主人公の桜木花道(高校1年生)は抜群の身体能力、運動神経を持ち監督に「10年に1人の逸材」と評価されている。桜木花道は高校に入ってからバスケを始めたド素人であるが、中学校からバスケをしているチーム内ライバルの流川楓(これも「10年に1人の逸材」)とプレーしているうちにどんどん上達していく。彼をスカウトし、練習に付き合ってた同学年の女子から彼の上達の速さは「まるで新幹線のよう」と嫉妬された。
basketball_boys_w200.png その桜木がインターハイで全国屈指の強豪校のエースプレーヤ沢北栄治(インターハイ後アメリカにバスケ留学する。)に対し素人考えのディフェンスをしたところ、予想外のプレーのため沢北はオフェンスチャージングのファールを取られた。このことで沢北は桜木を警戒することになった。
 桜木のチームメイトの宮城リョータは「しめしめ、沢北が警戒している。あのプレーは、10回に1回しか成功しない。その1回が最初に来ただけなのに」とさらに沢北を攪乱する。
 沢北は桜木のディフェンスの成功率は結果から推定するしかない。だから警戒する。
 宮城リョータは一緒に練習している桜木のプレーから成功率を10分の1と知っている。
 この宮城リョータ視点を体験するシミュレーションを考えた。

星取表シミュレーション


星取表w200.png プレーヤの実力をパラメータで与え対戦させる。そこで優勝したプレーヤがまぐれで優勝したのか実力抜群だったのかをパラメータを調べると分かる。大相撲なら15戦全勝優勝した力士と他の力士とはどの程度の実力差があったのか、まぐれだったのかを結果を見た後で、パラメータを調べると宮城リョータ視点で知ることができる。
 こういったプログラムを作って次回以降楽しみたい。

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